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Thermaltake社製「Core V1」

小さくても超強力!「Thermaltake Core V1」発売直前レビュー!
  • 今年のCOMPUTEXで発表されてから注目を集めていた期待のMini-ITXケース!
  • ゲーム用ながらも限りなく小さく、そしてしっかり廃熱もできる低価格ケースです!
  • 8月10日(日)発売予定のこのケース、サンプルをお借りできましたのでレビュー!
8月10日(日)発売予定のThermaltake社製「Core V1」。
予価4,980円(税別)と安価ながらも既存のゲーミングキューブケースより、さらに小型で拡張性の高い仕様になっています。
小さいけれども手をかければかけるだけ高性能に出来る、そんな可愛いケースです。
今回はメーカーさんからデモマシンをお借りできましたので、発売前にちょこっとレビューしちゃいます!
代理店製品ページ:
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まずは外見チェック!

サイズは260mm(W)×276mm(H)×316mm(D)。背面以外のパネルは全てとりはずし可能で、メンテナンスのしやすさに一役かっています。
左右のサイドパネルはメッシュ仕様で、ビデオカードやCPU用に適切なエアフローを提供。天板は一部アクリル仕様で、デコレーションPCを組むのにも向いてるデザインです。
フロントはほとんどがメッシュになっており、フィルターもついています。小さいケースは密閉するとすぐ内部の温度が上がってしまいますので、風通しの良いメッシュパネルは歓迎です。
サイズ的にどうしようもないのですが、5インチベイは無しです。でも今時はUSB接続の光学ドライブやメモリから普通にOSのインストールが出来ますので、あまり弱点では無くなってきた感があります。

最近のゲーマー向けITXケースでは一大ジャンルになってきた、電源の上にマザーボードが乗っかるダブルデックタイプです。電源ファンは上下どちらにも向ける事ができます。
標準装備のファンはフロントの200mm大口径ファンのみ。オプションとして背面に80mmファンを二つ搭載可能ですので、ぜひとも別途装着しておきたい所です。
スイッチ類は左横にまとめられています。電源スイッチ、リセットスイッチ、、USB3.0×2ポート、オーディオジャック×2装備。

お借りしたマシンのスペックをチェック!

今回、メーカーさんからお借りしたマシンはこちら。おおまかなスペックは。
ケースはもちろん「Thermaltake Core V1」。結構な消費電力(&発熱)があるゲーム構成ですが、きっちり収まっています。Mini-ITXだと本当に「収まるだけ」で冷却が足りない場合もあるのですが......さてさて。
とりあえずそのあたりは後に回して、いじってみて気がついた所をチェックしていきましょう。

要点チェック①:拡張性をチェック!...拡張カード編。

まずはゲーミングPCにおいて要になるビデオカードから。
カタログスペック上、装着可能な拡張カードの長さは「255mm (Inner chassis)」「285mm (Outer chassis)」となっています。
なんの事やら?と思いましたがバラして納得、「フレーム内に収まるサイズが255mm、フレームからはみでるけどフロントパネルで隠れるから大丈夫な長さが285mm」という事ですね。上手いスペースの使い方です!
というわけで長さ264mmのこちらのビデオカード、結構はみ出ています

もちろんはみ出ててもフロントパネルはちゃんと閉まります。
あとこの配置だと「ケースのフレーム部分とビデオカードの補助電源コネクタ位置が被ったらコネクタが干渉してしまわないか?」というのも気になったのですが、ご覧の通り。
相当横幅の大きなビデオカードや、ケーブルの堅い電源でなければなんとかなる感じです。よく考えられています。

拡張カードのブラケット固定部分にはプラスチック製のカバーがついています。
バキッと壊してしまわないようにちょっと注意が必要ですが、ドライバレスではずす事が可能。
キューブをはじめとした小型ケースだと、ここのブラケット固定部カバーの付け外しがしにくいモデル、結構多いんですよね......これも便利ですね。

要点チェック②:拡張性をチェック!...その他編。

まずは強力なビデオカードを入れる為に必要な電源ユニット。
こちらもカタログスペック上は200mmまでの電源ニットを搭載する事が可能です。
そして実際に大容量&80PLUS GOLD取得のThermaltake製電源(180mm)が入っている所がこちら。
特に問題なさそうですね。ばっちりです。ケーブル取り回しに自信が無い人はより短い電源を、自信のある人は200mmを目指してもいいかもしれません。

お次は2.5インチ×2、3.5インチ×2とやはりサイズの割に多いドライブベイ。
向かって右の側面に、3.5インチと2.5インチを一つずつ装着可能なトレイをコネクタが上向きになるように装着します。
ご覧の通りケースの下部分から上部分に向かうケーブルが結構ここを通りますので、これは全て装着するのは少し難しいかもしれませんね。それでもサイズからすると十分な搭載能力ですが。

ちょっと見にくいですが、上からドライブのコネクタ部をぱしゃり。外側が3.5インチ(2.5インチ共用で、写真ではSSDがついています)、マザー側が2.5インチですね。
1つのトレイに2台ドライブを装着すると、それぞれのSATAと電源コネクタがかなり近くに配置されますので、今写真に写っている様なL字コネクタではなく、ストレートのコネクタが必須になります。
現在、ITXマザー付属のSATAケーブルはストレートのものが多いですが電源ケーブルはL字が主流の為、出来れば事前に「Ainex S2-1501SA」のようなストレート電源延長分岐ケーブルを用意しておきたい所です。

要点チェック③:冷却周りをチェック!...エアフロー編。

ケース全体の冷却周りをチェックしましょう。フロントパネルをぱかっと外します。
標準で搭載されているのは200mmの大口径フロントファン。ちゃんとスイッチ類や、ケース内部から貫通してきたビデオカードを避ける配置になっています。
冷却能力が不足しがちなMini-ITXケースですので、こういった大型のケースファンが搭載できるのは安心ですね。

はずしたフロントパネルには、挟み込みでエアフィルターが装着されています。
簡単にエアフィルターだけはずす、という事は出来なさそうですがその分お掃除は気軽に出来そうです。

裏返して底面には、電源ユニットの吸気口とフィルターがあります。
これも裏返さなくても後ろからフィルターを外せますのでお掃除は楽そうです。
プラスチック製の足も標準でついていますので窒息する心配もいりません。
電源は出来るだけ、ファンがついている面を下にして設置しましょう。

左右のサイドパネルはメッシュになっています。
ここはフィルターがついてませんので、気になる人はホームセンター等で素材を買ってきて内側から貼り付けてフィルターにしちゃいましょう。
ただしMini-ITXキューブケースでゲーミングマシンを作る最大のメリットである「GPUファンの隣がすぐメッシュの為、外気を直接取り込めて効率よく冷やせる」というのを損ねてしまう場合がありますので、ほどほどに!

後ろから。
お借りしたマシンにはついていませんでしたが、排気用に80mmファン×2が装着可能です。
Mini-ITXマシン作成にあたって一番怖いのがやはり熱ですので、出来ればこれは最初からつけておきたいです......。
ファンをいっぱい付けていれば、劣化や事故で1つファンが壊れてもすぐには壊れずにすみますので!

要点チェック④:冷却周りをチェック!...CPUクーラー編。

ただでさえ冷却が不足しがちなMini-ITXですので、CPUに標準で入っているリテールのクーラーをそのまま使うのはあまりお勧めできません。
高さ140mmまでのCPUクーラーが装着可能ですので、是非大型クーラーに換装しましょう。
また、フロントパネルには120mmもしくは140mmラジエーター用の固定穴が開いていますので、ケース内部に簡易水冷CPUクーラーを取り付ける事も可能です。
お借りしたマシンにはThermaltake社製の「Water 3.0 Pro (CLW0223)」が装着されていましたので、まずはそちらを見てみます。

Water 3.0 Proは厚さ49mmラジエーターとデュアルファン構成の、120mmラジエータータイプとしてはかなり強力なクーラーになります。
流石にデュアルファンのままでは取り付け出来ませんので、一つはずしてシングルファンにして取り付けてあります。
分厚いラジエーターですが、マザーとのクリアランスもしっかり確保されていますので、あまり苦労する事は無さそうです。

ラジエーターの固定はフロント200mmファンをはずして前から固定します。
この組み合わせの場合、それ用のネジやワッシャーは入っていませんので、ケース付属かどこかから確保しましょう。
通常あまり問題ないと思いますが、あまりねじ頭の大きいねじや、フロントファンに他社製の200mmファンを使うと、ラジエーター固定用のねじとフロントファンの羽根が干渉してしまうかもしれませんのでご注意を。

空冷派の場合、人気の120mmファン搭載サイドフローCPUクーラーの高さが大体160mm前後なので入る物は基本的にありません。
が!ケースと同じThermaltake社製の「NiC L31」というサイドフローCPUクーラーが、丁度高さ140mmで「さすが同じ会社だぜ!」と思わず小躍りしてしまう出来です。
専用の120mm口径ファンを採用、サイズと比較して非常に冷却性能の高いファンですので、第一選択肢はこちらで間違いないでしょう。

メーカーサイトの写真にもちゃんと載っていますし!
ただしこちらのケースにはベストマッチでも、マザーボードの実装部品と干渉してしまう場合はあります。
人気のあるMini-ITXマザーボードとの簡単な互換表を作りましたので、マザーボード選びの参考にしてください。
※マザーボードやクーラーの互換はロットなどによっても異なる場合があります。あくまで店頭で現物あわせをした結果になりますので、予めご了承ください。
メーカー 型番カタバン 背面ハイメンプレート メモリ PCIeスロット その干渉カンショウ
GIGABYTE GA-A88XN-WIFI ×※2 ×
GIGABYTE GA-Z97N-GAMING ○※1 ○※5
ASRock FM2A88X-ITX+ △※3
MSI Z97I GAMING AC × ○※4
ASUS Z97E-ITX/ac ○※5
ASUS Z97I-PLUS △※3
※1...VRMヒートシンクを固定してるネジに軽く接触します。
※2...メモリスロットが1つ使用不可。
※3...厚みのあるメモリは干渉します。
※4...VRMヒートシンクと接触しますが設置は可能です。
※5...VRMヒートシンクがギリギリ接触しませんでした。

その他にも、CPUがIntelの場合はScytheの「侍ZZリビジョンB (SCSMZ-2100)」や、CoolerMasterの「Hyper TX3 EVO」といった92mmファン採用クーラーもプッシュピンで取り付けやすく、冷却能力も比較的高めなのででお勧めです!

他のケースとサイズを比較してみます。

参考までに、似たようなスペックを持つ他のケースと並べた写真をとってみます。撮影可能角度の問題でちょっとゆがんでますがご容赦を......。
左から人気Mini-ITXケースのCorsairの250D(W280×H290×D345mm/約28リットル)、、真ん中がCore V1(W260mm×H276mm×D316mm/約22.7リットル)、右が担当が好きなJONSBO U2(W208mm×H319mm×D233mm/約15.4リットル)です。
ゲーマー用Mini-ITXケースとして定番の人気商品D250と比べても一回り小さいです。5インチベイの有無と、240mmラジエーターの水冷キットが入るかどうかが大きな違いになります。
流石にJONSBO U2にはサイズで負けますが、JONSBO U2が高性能ビデオカードを入れると実質ドライブベイがほぼ使用不能になるのに対して、Core V1は最大4ドライブ内蔵可能です。あと圧倒的に組みやすいです。
ゲーミングのみならずオールラウンダー的な使い方をする場合にも、最小かつ最高クラスの搭載能力を持つケース、それがCore V1と言えるでしょう。

まとめ。

最後にオススメポイントとご注意点のまとめを!
いいところ
  • 非常に小型なキューブケースながら、ハイスペックなPCを作成可能。
  • サイド、トップのパネルが外せるため組み立ても(比較的)楽な部類。
  • 小型でもハイスペックパーツを入れた際の干渉が少なく、無理がない。
  • 追加のファンを取り付ける事により、かなり高い冷却性能を得られる。
  • お値段4,980円(税別)ながら安っぽい作りではない。
注意点
  • 5インチベイは諦めて外付けUSBの光学ドライブにしてください。
  • CPUクーラーの選択肢は多少限られますが、このサイズにしては上等です。
  • ドライブをいっぱい付けるとケーブル取り回しが大変です。
  • ドライブ用のストレートコネクタケーブルは用意しておきましょう。

というわけで長々説明して参りましたが、正直このサイズ(容積約22.7リットル)でこの完成度のケースをこの値段で出されると、他のケースメーカーさん本当に大変だな!という印象です。
Mini-ITXの組み立てにくさをものともしないMini-ITXファンの方や、ちょっと面白そうだから頑張ってみるか!という小さいマシンが欲しい方は是非検討していただきたいケースです。
店頭展示もございますので、店舗にお立ち寄りの際は是非実機をご確認ください!

※この記事はPCケースのご紹介記事です。本文写真にあるPCパーツ類は別売りとなりますのでご了承ください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。