お問合せ先はこちら 03-3253-5599

HDR10対応モニター!!!.....HDR10?

テレビなどの業界では数年前から製品化されていますが、PC界隈ではここ一年くらいで一気に普及してきている「HDR10」
店頭でもお問い合わせが多いので簡単にまとめてみます。あくまでも色々と端折って簡単に...ですのであしからず。。。

そもそもHDRって何?

【HDR】とは『High Dynamic Range』の略で、明るさの幅=ダイナミックレンジ(最も明るい部分と最も暗い部分の明暗の比)をより広く自然に表現するための技術です。
本来、人間の目が近くできる明るさの範囲(ダイナミックレンジ)はとても広いです。
ですが、表示するモニターなどが表現できるダイナミックレンジは従来の規格(SDR)ではほんの一部までしか表示できていません。
従来の規格(SDR)では日陰などの暗い部分が黒つぶれしてしまったり、】日向などの明るい部分が白飛びしたりしますが、
HDRでは明るい部分と暗い部分どちらの階調も犠牲にすることなくリアルな光の描写が可能になります。
とても簡単に言えば「明るいところも暗いところも従来よりもくっきりはっきり映るようになる」という事ですね!

映像の画質を左右する要素は5つあるといわれています。
①解像度 ②ビット深度(色、グラデーション) ③フレームレート ④色域 ⑤輝度(ダイナミックレンジ)
①解像度に関しては4Kが普及してきていて、次世代は8Kといわれています。
②ビット深度(色、グラデーション)は、一般的な8bitはもちろん10bitまで表示可能なのでこちらも現在の規格としては十分ですね。
③フレームレートはフルFDで240Hzモニターや、最近は4Kで144Hzまで出せるモニターも発売されたりしています。
④色域も放送用規格や写真編集で使われるような規格など様々な規格が存在します。
ところが、⑤輝度(ダイナミックレンジ)のみ、映像制作でCRTを使っていたこともあり新しい規格がでてきませんでした。
しかし近年、表示機器の技術向上により表現できるダイナミックレンジが拡張したため、HDRが急速に普及してしています。

HDRを見るにはどうするの?

いくら綺麗に見えるといっても対応したコンテンツがなければ表示することはできません。
現在ではゲームや動画配信サービスやUHD Blu-rayなどが主流でしょうか。
更に対応した出力機器とケーブル、モニターやテレビなどが必要です。

HDRにもいろいろある...?

一言でHDRといっても様々な規格が存在します。
よく混同されがちですが、映像のHDRと一般的な写真のHDRでは意味が変わってきます。
写真のHDRはスマホでも対応していますが、簡単にいえば「明部と暗部それぞれを優先した写真を合成し、それぞれの階調性を保ちながらSDRのレンジに圧縮した画像」といった感じです。
圧縮してしまっているので、HDR対応モニターでないと見れないというわけではありません。

そもそもですが【HDR】だけではハイダイナミックレンジの略なだけであって、規格としてはいろいろあります。現状一番普及しているのはおそらく【HDR10】でしょう。
より高画質といわれる【Dolby Vision】がありますが、対応製品が少なくPCモニターではおそらく製品化されていません。
また、放送用の規格【HLG】もあります。従来のHDR非対応のモニターとの互換性を重視したもので、PCモニターでもほとんどありません。
※HLGはガンマカーブの方式の名称です。もうひとつPQ方式がありますが、HDR10やDolby VisionがPQ方式です。
新しい規格として【HDR10+】というのも存在します。【HLG】に近い仕様になっていたり幅広い製品にも対応できる次世代規格になっています。

PC界隈のHDRと映像業界のHDRは違う.....???

【HDR10】は元々、Ultra HD Blu-rayで採用された規格で、映像の信号や伝送といった要素を定めたものなので、モニター側の仕様を定めたものではありません。
それに対して【DisplayHDR】はモニター側の仕様を定めるものです。
HDR10対応!!!と謳っている製品が多く登場するなかスペックは様々で、消費者からは性能差が分かりにくいという問題がありました。
そこで、モニターメーカーだけでなくモニターに関わる主要な企業の多くが協力して、大まかな仕様を示す分かりやすい基準を設けようと定めたのが【DisplayHDR】です。

DisplayHDRのVersion 1.0では3種類の基準が定められ、「DisplayHDR 400」「DisplayHDR 600」「DisplayHDR 1000」の3つとなっています。
仕様要件はいろいろ(ビット深度、色域、応答速度など...)とありますが一番分かりやすいのは『数字=輝度』になっていることです。(DisplayHDR 1000ならピーク輝度は1000cd/m2以上)
今後発売される製品は【DisplayHDR】に対応したものが多くなると思いますが「数字が大きいほうがより綺麗!」と考えてもあながち間違いではなさそうです。
HDR10との互換性が気になるところですが、DisplayHDRはHDR10が普及していることを前提に策定されているので、DisplayHDRの認証要件にHDR10対応は必須なのでご安心下さい。

皆様のご来店を心よりお待ちしております。