【札幌】PCゲームタイトルにおける『必要/推奨動作環境』考察
必要?推奨?どっちを選べばいいのでしょう?
どうも、サッポロのnです。
本日取り上げたいお話は、PCゲームをPCで動作させる為の『必要/推奨動作環境』をメーカーが公式に発表する場合にどこまでの動作が保証されるのかという内容。
新作ゲームタイトルのリリース。気合を入れてプレイしようと考えているゲームタイトルであれば、個人の思いとしてグラフィック設定は全て最高で楽しみたいと考えるはずです。しかもそのゲームタイトルの為にPCを新調する、なんて場合にはなおさら慎重になるはず。駄洒落じゃなく...ほんとに。
この年末に続けてリリースされたPCゲームのビッグタイトルと言えば『STAR WARS™ バトルフロント™』『コールオブデューティ ブラックオプスⅢ』『Fallout4』ですが、いずれもPCに要求する性能は非常に高く、1年前くらいにバリバリの仕様だったPCでも快適動作とは言えない曲者です。
ちなみにメーカーの公表する『必要動作環境』と『推奨動作環境』の違いは、前者が『とりあえず動くよ』で後者が『バッチリ動くよ』という定義だとぼくは理解してきましたが、みなさんはどうお考えでしょうか?できればPCを新調する時には『バッチリ動くよ』以上を検討したいですよね。
それではメーカーの公表する『推奨動作環境』で装備を整えたら、本当に『バッチリ動くよ』の保証はあるのでしょうか?
具体的な例を挙げて検証してみます。
2015年の秋冬にリリースされた、PCゲームタイトルの『必要/推奨動作環境』を見てみよう
まず最初に、2015年11月から12月にかけてリリースされる新作ゲームタイトルの『必要/推奨動作環境』から見てみましょう。
Call of Duty: Black Ops Ⅲ
必要動作環境:
OS: Windows 7/8.1 64-Bit
CPU: Intel® Core™ i3-530 2.93 GHz / AMD Phenom™ II X4 810 2.60 GHz
メモリ: 6 GB RAM
グラフィック: NVIDIA® GeForce® GTX 470 1GB / ATI® Radeon™ HD 6970 1GB
ストレージ: 60GB以上の空き容量
※推奨動作環境は未公表
Fallout 4
必要動作環境:
OS: Windows 7/8/10 (64-bit OS required)
CPU: Intel Core i5-2300 2.8GHz/AMD Phenom II X4 945 3.0GHz か、それ以上
メモリ: 8GB RAM
グラフィック: NVIDIA GTX 550 Ti 2GB/AMD Radeon HD 7870 2GB か、それ以上
ストレージ: 30GB以上の空き容量
推奨動作環境:
OS: Windows 7/8/10 (64-bit OS required)
CPU: Intel Core i7 4790 3.6GHz/AMD FX-9590 4.7GHz or か、それ以上
メモリ: 8GB RAM
グラフィック: NVIDIA GTX 780 3GB/AMD Radeon R9 290X 4GB か、それ以上
ストレージ: 30GB以上の空き容量
Tom Clancy's Rainbow Six® Siege
必要動作環境:
OS: Windows 7/8.1/10 (64bit versions required)
CPU: Intel Core i3 560 3.3GHz or AMD Phenom II X4 945 3.0GHz
メモリ: 6GB RAM
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 460 or AMD Radeon HD 5870
ストレージ: 30GB以上の空き容量
推奨動作環境:
OS: Windows 7/8.1/10 (64bit versions required)
CPU: Intel Core i5-2500K 3.3GHz か、それ以上 or AMD FX-8120 3.1 Ghz か、それ以上
メモリ: 8 GB RAM
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 670 (or GTX 760 / GTX 960) or AMD Radeon HD 7970 (or R9 280x [2GB VRAM] / R9 380 / Fury X)
ストレージ: 47GB以上の空き容量
STAR WARS™バトルフロント™
必要動作環境
OS:Windows 7/8.1/10 64bit
CPU(Intel):Intel i3 6300Tまたは同等の性能
メモリ:8GB RAM
ストレージ:40GB以上の空き容量
グラフィック:(NVIDIA)nVidia GeForce GTX 660 2GB / (AMD)AMD Radeon HD 7850 2GB
推奨動作環境
OS:64-bit Windows 10以降
CPU(Intel):Intel i5 6600または同等の性能
メモリ:16GB RAM
ストレージ:40GB以上の空き容量
グラフィック:(NVIDIA)nVidia GeForce GTX 970 4GB / (AMD)AMD Radeon R9 290 4GB
以上が最近リリースされたゲームタイトルのPC動作環境です。みなさんのPCはどうでしょうか?メーカーの公表している情報だから基準を満たしているならば動作は問題ないと、思いたいところですが残念ながらそうでもないようです。
必要動作環境=最低動作環境です。極端な言い方ですがインストールして動いたら、そのPCは動作環境を満たしているという解釈。だから必要動作環境でPCを用意したとしても快適に動作する保証は全くないのです。
それでは推奨動作環境はどうだろう?メーカーが推奨している動作環境ならば快適に動かないわけがない。その通りです快適に動いてもらわないと困ります。その為の基準ですからね。殆どの場合はこの推奨動作環境を満たしていれば中設定までくらいなら快適にゲームが出来ると思われます。
えっ中設定?それって快適なのか?
みなさんがゲームをプレイする時に求める「快適さ」とは一体何でしょう?ちなみにぼくにとっての「快適さ」とは「滑らかな動き」です。特にFPSゲームにおける快適なプレイ環境を考えた場合、多少グラフィック設定を落としても優先したいのが「フレームレート」です。
問題なのは、どれくらいのフレームレートで満足できるかですよ
フレームレートとは、「1秒間に何回画面を書き換えることができるかを表す指標。」(IT用語辞典 e-Wordsより抜粋)
ゲームのプレイ中に動きがカクカクしている様な気がする、そんな時はフレームレートを確認する。ゲームによっては画面の端にフレームレートを表示させることができます。この数字が60以上で安定していればおそらくカクついて見ずらいと言う事は無いでしょう。もし60以下で30~40位だと、少しコマ落ちしたような動きに見えます。
一般的なPCゲームの場合、秒間60フレーム以上のフレームレートを維持できれば快適なプレイ環境と言えるでしょう。実際には高画質なグラフィック設定でこの環境を実現できればベストなのですが、フレームレートの維持とゲーム内での高いグラフィック設定はトレードオフの関係にあります。たとえ推奨動作環境を満たしたPC性能であってこの部分の保証はありません。
■同ゲームタイトルで比較したイメージ
グラフィック中設定 → 平均フレームレート秒間60フレーム
グラフィック高設定 → 平均フレームレート秒間40フレーム
※グラフィック設定を優先するとフレームレートが下がっていく。
FPSゲームの場合、フレームレートの維持は正に生命線。大きくマウスを振った時に多くのコマ数が表示できる方が確実に敵を捉えやすくなります。その為の秒間60フレーム維持が一つの基準だったのですが、ここ数年の間にそれでも足りなくなってきました。その理由は「144Hz駆動ディスプレイ」の登場です。このディスプレイなんと、秒間144フレームの表示が可能!その動き、それはもう凄まじい滑らかさ...
【TGN】"144Hz"の世界を体感せよ!#CODBO2
144Hz駆動ディスプレイの性能を如何なく発揮する為のグラフィックカード選びとは?
どうです?144Hz駆動ディスプレイ、使ってみたいですよね。ぼくもFPSで少しでも勝てるようになる為に、色々なゲーミングデバイスを試しましたが、144Hz駆動ディスプレイを使った時の劇的な環境の変化は、言葉では言い表せません。今まで見えなかったものが見えるようになった、まさに別世界。
先日リリースされた「STARWARS™ バトルフロント™」の推奨動作環境ではグラフィックカードが「nVidia GeForce GTX970 4GB or AMD Radeon R9 290 4GB」となっていますが、実際にプレイした時のフレームレートがこちら。
GeForce GTX970 4GB → 平均84フレーム
Radeon R9 290 4GB → 平均86フレーム
※CPU:Core i7/6700K メモリ:16GB
※解像度:1920×1080 グラフィック設定:Ultra Quality
※上記は目安。必ずしもこの結果を保証するデータではありません。
どちらも144フレームには程遠い結果、でも60フレーム以上の維持は可能なようなので推奨動作環境と充分呼べるのではないでしょうか。ちなみにこのゲームで144フレーム以上を維持するのはかなり難しいようで、GeForce GTX980Ti 6GBで試した場合でも平均110フレームだそうです...。
「STARWARS™ バトルフロント™」以外のゲームタイトルの場合でも一概には言えないのですが、思ったより重かったとか、意外とフレームレートが上がらないというケースはとても多く、例えばぼくが現在プレイしている「コールオブデューティ ブラックオプスⅢ」をGeForce GTX960 2GBで動かした場合、中設定でも秒間50~60フレームなので144Hzディスプレイの恩恵を受けるためにはかなり設定を落とす必要があります。正直これは悲しい。
この結果から考えると、「普通に使う分には推奨動作環境を満たしていれば問題なくプレイできるが、60Hz以上の高リフレッシュレートで駆動するディスプレイを使う場合は推奨動作環境のグラフィックカードから2、3ランク上を選ぶ必要がある。」という回答が見えてきます。
推奨動作環境こそ最低ライン、より良い環境を望むなら2~3ランク上のグラフィック性能が必要
最後に纏めると...
PCゲームを快適に動作させる為には「必要動作環境」は皆無、「推奨動作環境」が最低ライン。もし高リフレッシュレートディスプレイをフル活用したいのなら2~3ランク上のグラフィック性能を求めるべき。
ですね!
「そんなに高いPC買わないと快適にプレイできないの?だったらPS4にしよっかな。」
いやいや、そういう考え方もあるかもしれませんが、そうじゃないんです。
言い方はアレですが、PS4レベルでいいのなら推奨動作環境で揃えても問題ないんです。何故ならPS4というハードは秒間60フレーム以上は表示できませんし、4K解像度にも対応していません。同等の環境でいいならそこまで高い構成じゃなくても動きます。安心してください。
PCゲーム環境にはそういった将来性があります。しかしそれは必須環境ではないのでどこまで念頭に置いて環境を整えるかで必要な予算も変わってきます。だから、そんなこと言わないでPCゲームやりましょう!
それでは、また来週。