【札幌】2015年のPCゲーム業界を振り返る...「steam編」
2015年のPCゲーム業界を振り返る...「steam編」
どうも、サッポロのnです。
2015年も残すところ1週間程という事で、この1年を足早に振り返ってみようと思う。本来「10大ニュース」的な記事が好ましいのだろうとは思うのだが、この年の瀬、残念ながらそれほど時間と余裕がない。
掻い摘んで、2015年のPCゲーム業界において特筆したいニュースを1点だけ、ピックアップしたいと思う。それは「steamの急成長」である。既に利用してる方も多いと思うが、2015年はまさに「steamの年」と言っても良いほどに、大ヒット作の取り扱いが急増した年なのである。
※執筆中に、今週の名古屋スタッフTさんのブログを見て凍りついたが、内容を変更する時間もないのでこのままアップすることをお許し下さい。
2015年の総リリースタイトル数は、なんと3,000以上!?
まず最初に驚くべき数字の話をしたいと思う。steamで販売されるゲームタイトルの統計情報を扱う「steamspy」によると、2015年にリリースしたゲームタイトル数はなんと3,049である。もはや1日約8本ペースで毎日リリースという勢い。
3年前の2012年が373、2013年が573、2014年から一気に急増し1,785、そして2015年には3,000タイトルを超える数字となった。すでに総タイトル数は5,700を超えている。要因としては20カ国以上の言語対応や決済方法の緩和など、世界各国のゲームユーザーにとって購入しやすい環境を整えたことが大きい。今やそのユーザー数は全世界1億人以上。
既にsteamを利用している方には蛇足だが、steamとはどんなシステムなのかを今一度ご説明したい。まず最初にプラットフォームとなるsteamソフトウェアをインストールする。ユーザーアカウントの登録を行うと、ストアへのログインが可能になる。次にユーザーはストア上からゲームの使用権を購入、そしてPCへダウンロードを行いプレイが可能になる。CD-ROM、DVD-ROMベースでの販売方法が主流だった(既に過去形にしているが...)頃と比較してシリアルコードの管理や、メディアの保管等に気を使う必要は無くなった。
一度購入したゲームタイトルはユーザーアカウント内で管理されるので別のPCでプレイする場合は、対象のPCにダウンロードをするだけで利用可能になる。過去のディスク認証等は存在しないが、インターネット接続による認証作業が初回起動時には必要だ。
支払い方法に関してはクレジットカードによる決済が主流だが、「PROスチーマー」というValve公認のsteamユーザーサイトを使えば、コンビニ払い、銀行振込によるsteamウォレットコードの購入も可能になっている。当サービスを利用するとクレジットカードを持てない年齢層にもsteamでのゲームタイトルの購入が可能になる。
ただ注意しなければいけない点として、steamプラットフォームは「13歳以上利用可能」という年齢制限が設けられている。言い換えると、日本国内においては、一般的に中学生以上がsteamを利用できるという事だ。
一風変わったインディーズから、有名国産タイトルまで続々リリース
steamを語る上で2015年のトピックといえば、日本国産タイトルが多数リリースされたことだろう。スクウェアエニックスの「ドラゴンクエストヒーローズ」や、コナミの「メタルギアソリッドⅤ ファントムペイン」等、日本国内でもコンシューマー機向けのビッグタイトルがsteamで次々とリリースされた。ちなみに上記タイトルはいずれもパッケージ版の販売はされていない。すべてsteam上でしか購入できないのである。
2015年の11月から12月にかけての新作ラッシュにおいてもパッケージ版の販売があったのは「Fallout4」くらいである。「STAR WARS™ バトルフロント™」はsteamプラットフォームではないが、やはりダウンロードによる販売形態のみで、昨年と比べこういった動きが急速に進んだのが2015年の特徴だろう。筆者がこの動きに気づいたのは「コールオブデューティ ブラックオプスⅢ」のリリース時で、パッケージ版の販売がないのを気づいたのはリリース日の一週間前だった...。いずれにしてもsteamで購入するつもりだったので問題はなかったが。
steamではこういったビッグタイトルの他にも、フリープレイ(無料)タイトルや開発途中のアーリーアクセスタイトル等も購入できるので、日々、ストアを見ていても飽きることはない。登録タイトルの中には多くのインディーデベロッパー作品も存在し、いまや総タイトル数の50%以上を占めるという。普段、日本国内ではお目にかかれないようなブッ飛んだ題材も多く散見する。これもsteamの面白いところだ。
筆者が個人的にオススメなインディーズデベロッパー作品を1つ紹介したい。開発元は、Ubisoftのモントリオールスタジオに在籍していた開発者が立ち上げた【Red Barrels】で「Outlast」というタイトルである。恐ろしい実験が行われているという精神病院に潜入した主人公の悲劇を描いたホラーゲーム。
いわゆる「POV方式」で撮影されたホラー映画を題材としたマニアックなタイトル。「グレイヴ・エンカウンターズ」という映画を見たことのある方ならピンとくるはず。まず、大前提として敵から身を守るためには逃げるしか手段がない、という斬新さに心を奪われた。主人公の持つビデオカメラのナイトショットに映し出される凄惨な精神病棟の光景...「走りながら(Q)で後ろを振り返る」なんていう操作はこのタイトルの為にしか存在しないでしょう。とにかく、無抵抗に逃げるのみ。
ちなみに続編も2016年秋にリリース予定。全く内容は把握できないが悪い予感しかしないこのPVを見ると、思わず期待してしまう...
2016年のPCゲーム業界も、きっとsteamが面白い!
最後に、steamセールについて。このブログの執筆中に丁度スタートした「ホリデーセール」、もう50~80%オフは当たり前。筆者もそうだが、常日頃から気になるタイトルはウィッシュリストに入れておくのだが、定期的に行われるこういったセールの時を逃さず、リスト内のタイトルが劇的に値下がっていた場合、一気に購入する。いつプレイする?とかそんな事は関係ない。とりあえず買っておいて時間が出来た時にダウンロードするのである。これもsteamの楽しみ方の一つ。
年明けの、2016年1月4日までのロングランセールなので興味のある方は是非覗いて欲しい。ちなみに筆者が今回のセールで購入予定なのはこちら。